このコラムでは、研究室でいま行われている、過去行っていた様々な研究について、
学生によるインタビュー形式でご紹介しています!
今回の回答者
下村義弘教授にお願いしました!
研究の背景は?
デザインはしばしば芸術活動と混同されますが、現在のデザインプロセスは非常に科学的です。特に人間が使う製品や過ごす環境のデザインでは、人間そのものの科学的考察が必要です。
研究内容について
人間工学では筋電図という電気生理学的手法を使って、体の様々な部分の筋肉の活動を観察したり、測定したりします。現在の筋電図はコンピュータの画面上で、波形グラフで測定します。これが大変わかりにくいため、本研究では皮膚上に貼った電極上で色などで見えるように表示する技術開発をしています。
何の役に立つ?
筋電図を可視化できれば、どのような体の使い方で負担が大きくなるのか、またどのような製品デザインだと負担が大きく使いにくいのか、といったことが直感的に明らかになります。この方法を使えば、上手な身体の動かし方を具体的に考えたり、使いやすいデザインを様々な視点から発想できるようになったりします。
この研究の特徴は?
人間工学の方法そのものを新しく提案することだと思います。
大変なことは?
人間の解剖学、電気生理学、増幅回路、装着性、使い方、個人差など、一つの学問領域でカバーできないことです。
今後の見通しは?
研究費が得られるよう、頑張って申請しています。東京オリンピックまでになんとか形にしたい考えです。
研究室のここが楽しい!
みな違うテーマの研究をしながらも、人間とデザインのよい関係を目指すところはみな同じ、というところ。
科学と人間性が良い感じで同居しているところ。
社会に開かれた研究ができているところ。